私は鬱病です。

 私は鬱病です。

 私の親、特に母親は、今でいう”毒親”と呼ばれる人だろうと私は考えています。

 そんな親が原因で、私は鬱病になったのではないか、と思います。

 

 私が初めて死のうとしたのは、中学1年生の時でした。

 本当に死のう、もう自分に明日は来ない。そうしてカッターを握り手首に当てた時、やりたかったことが心の底から出てきました。

 もっと勉強したかったなぁ。

 もっと本が読みたかった。

 もっと遊びたかった。

 もっと。

 涙が止まりませんでした。死にたくて死にたくてしかたがなかったのに、もうすべてを捨てた、いや、壊されたと思っていたのに。

 自分にはまだ、やりたいことがあった。それがわかって、私は死ぬのをやめました。

 

 ですが、そう簡単に希望をつかめるわけではありませんでした。

 中学、高校と、進むにつれて、死にたい気持ちは現れなくなったけれど、生きている実感もないままに過ごしていました。

 

 大学に入って、転機が訪れました。

 こんな私にも、愛すべき人ができたのです。

 告白されたときはすごく嬉しかった。でも私には、言わなければいけないことがあった。

 私はかつて、死のうとした人間だと。

 その人には、黙っておきたくなかった。それを知ったうえで、お付き合いしたかった。

 だから私は、告白されたその時に、そのことを伝えました。すんなりと言えるようなことではなかったけれど、しっかりと伝えました。

 それでもその人は、私を好きだと言ってくれました。

 そうして私とその人のお付き合いは始まりました。

 ですが、それがまた、鬱の状態へと戻るきっかけとなってしまいました。

 その人はとてもいい人で、私を愛してくれました。

 私もその人がとても好きで、私も愛したかった。

 でもそう考えればそう考えるほど、私の過去が首を絞めました。

 死のうとしたこと。無気力に過ごしてきた日々。それらを初めて、後悔しました。

 真面目すぎたのかもしれません。親のせいだ、しかたがないと、そう思えばよかったのかもしれません。

 でもその人がまっすぐに私を愛してくれたから、私もまっすぐに返したかったのです。

 そうして私は鬱の日々を思い出すようになり、それを後悔しながら暮らしていました。

 そしてある日、ある出来事がきっかけで、私は決定的に、鬱病となりました。

 それは私がどこかで支えと信じていたものが、壊れてしまった、自分勝手な言い方をすれば、それに裏切られてしまった。

 その出来事以来、私はパニックを起こすようになりました。

 大学の講義を受けている時、電車に乗っている時、夜寝ようとした時。街を歩いている時に、周りの人たちが突如、人間に見えなくなってしまい、パニックになったこともあります。

 同時に、死にたいという気持ちが、強く起こるようになりました。

 大学に行く気力などなかったけれど、実家住まいだったため、親に打ち明けることもできず、家にもいたくなく、なんとか毎日大学へ通っていました。

 しかし次第にひどくなっていく私を見かねた恋人が、病院へ行かないかと言いました。

 私もそうするしかないと思い、大学のカウンセラーに病院を紹介してもらい、初めて精神科にかかりました。

 これで少しはよくなるかもしれない。

 ところが、その先生はひどく威圧的で、こちらの気持ちを理解してくれない人でした。

 そして、診断書に書かれていたのは、パニック障害だけでした。

 自分は鬱病じゃないのか? じゃあこの死にたいという気持ちはなぜ?

 この先生に最大の嫌悪感を抱いたのは、「死にたいとか言ってるみたいだけど」と鼻で笑ったことでした。

 「どうせ死ねないでしょう?」

 そう言われているようでした。

 私はすぐにその病院に通わなくなりました。

 通わなくなった頃、あの出来事から時間が経過したせいなのか、精神状態は最もひどかった時に比べれば、かなりよくなっていました。

 一時的なものだったのかもしれない。そう思って、次の病院を探すこともしませんでした。

 それが、一番の誤りだったのかもしれません。

 

 今、私は死にたいと思っています。

 飛び降りたい。包丁で刺したい。首を絞めたい。

 なんでもいい。死にたい、と。

 

 結局あの後、私の精神状態は悪化、過去最悪になりました。

 大学を卒業し、就職もできず4月、私は自室に引きこもりました。

 ドアは開けられないようにし、2リットルペットボトルの水と非常食を持ち込みました。

 1日1食以下。それが尽きた時、餓死しよう。そう思っていました。

 そんな生活をあの親が許すわけがありませんでした。

 ドアをぶち破る勢いで何度も体当たりし、大声で「開けろ」と言い、屋根をつたって窓からの侵入を試みさえしました。

 「開けないと更生施設の人に無理やり引きずり出してもらうぞ」と脅したかと思えば、「一生出てくるな」とドアを外から塞いだりもしました。

 恐怖でした。なぜ私がこんなことになっているのか、そこに疑問を持たず、ただ「普通じゃないから、みっともないから、世間に言えないから」そんな理由で無理やりいうことを聞かそうとする親が。

 とにかく死ぬ。衰弱して、餓死して死ぬ。そんな私を止めようと、恋人は新しい病院を探し出し、私をなんとか連れ出して、病院へと行きました。

 そこで私は、初めて、鬱病の診断を受けました。

 

 その診断を受けてから、まもなく1年。

 少し上向いたり、あっという間に落ちたり。まだ完解とは程遠いところにいます。

 死にたくて仕方がない。けど、どこかで生きたいとも思っている。

 生きたいとか、死にたいとか、そんなことが頭をよぎらない日もある。

 そんな日々を語っていけたら。

 趣味や仕事や私の事や鬱のことを。

 ゆるりと。生きていけたら。

 死なずにいられたら。

 そう思っています。